地方自治体職員の方へ
<前回のまとめ>
「プレゼンで緊張してしまう人は多い。緊張の回避策は、回数を重ねることとよく言われる。ただ、初心者の場合は、知っているテーマを選択する、プレゼン内容を習熟する、何度でもリハーサルする。これで緩和することができるはず。」という内容でした。
●先日、『月刊 ガバナンス(10月号)』という雑誌の取材を受けました。
ガバナンスは、地方自治体職員向けの雑誌です。自治体職員の方も最近は、住民への説明会、庁内会議での企画提案・報告など、プレゼンが必須のスキルになっているようです。しかし、人前で話すのは緊張する、またパワーポイントも苦手という方もいるのではないでしょうか?
●そこで、ガバナンスに入稿させていただいた内容を皆様にもご紹介させていただきます。自治体職員の方はもちろん、それ以外のパワーポイント初心者の方、いやパワーポイントを熟練されている方も改めて何かヒントを得ていただければと思います。
●1.パワーポイントってどんなもの?
パワーポイント(PowerPoint)というのは、マイクロソフトが開発した『プレゼン用のアプリケーションソフト』のことです。現状、プレゼンといえばパワーポイントを使う方が多く、事実上の業界標準といえます。
また、既に広く使われているEXCELやWORDと役割が異なっています。
・EXCEL :表計算ソフト(表、グラフ作成が容易)
・WORD :文書作成ソフト(文章作成が容易)
・パワーポイント:プレゼンテーション用ソフト(図形作成が容易)
●2.有効に使って具体的にどんなことができる?
パワーポイントは、プレゼンテーション用ソフトとして、四角形や円形などを作成することを得意としています。EXCELやWORD にも図形作成機能はありますが、パワーポイントは、その図形作成機能に特化しています。
●3.メリット・デメリットは?
メリットは、なんといってもビジュアル表現が得意で生産性が高いことです。特にWORDで図形作成に苦労している方には、パワーポイントはずいぶん簡単に感じると思います。
一方、デメリットは、図形やレイアウト・配色などの表現力が必要な点です。これがパワーポイントの壁でもあります。WORDであれば、文章中心なので図形や配色などをあまり気にしなくても資料は作成できます。
しかし、パワーポイントの場合、図形表現の特徴を生かすために、どうしてもレイアウトや配色などのスキルが必要となるのです。これを喩えるなら、WORDは原稿用紙で、パワーポイントは画用紙に絵を描くイメージです。「パワーポイントでうまく資料が作れない。」という方は操作方法や機能の理解ではなく、ビジュアルな表現力を磨く必要があります。
●4.初心者が気をつけたい点は?
初心者の方が陥りやすいものとして特に注意していただきたいことを2点ご紹介します。
(1)見せたいのか、読ませたいのか整理する
最初に注意すべきなのは、資料を見せたいのか、読ませたいのか、その目的を明確にすることです。パワーポイントというのはビジュアル表現が得意なため一般的に文字の少ない図形中心の資料を想像すると思います。多くのパワーポイントの書籍でも図形中心の資料を前提としています。
しかし、実際の業務では、文章が沢山書かれたプレゼン資料も存在します。どちらが良い、悪いということではありません。それぞれ目的が違っているのです。そのため、プレゼン資料を作成する前に見せるだけなのか、読んでもらいたいのか目的を明確にすることです。
・図形中心のプレゼン資料
プレゼンの発表の時に『見て理解してもらうこと』を前提としている。そのため文章も少なくキーワード中心である。説明は口頭で行う。
・文章も多いプレゼン資料
プレゼンの発表の後に、じっくり『読んで理解してもらうこと』を前提としている。そのため文字が多くなる。
現状、このあたりが混在しているため、初心者の方は目的を明確にして使い分けることをお勧めします。
(2)手書きで下書き
次に注意すべきなのは、パワーポイントを使いながら考えないようにすることです。パワーポイントは、プレゼンテーション用のソフトですが、人が操作すれば優れた資料が自然と出来上がるような魔法のソフトではないのです。そのため、パワーポイントを立ち上げる前に構想を練ったり、主張を明確にしたりどの図形にするのかなど「考える」作業が必要なのです。
むしろパワーポイントを立ち上げる前に資料の完成イメージは明確でないといけません。しかし、初心者の方は頭の中で情報が整理されていない段階ですぐにパワーポイントに頼ろうとします。これが間違いなのです。
そこでお勧めするのは、まずは手書きで下書きすることです。手書きの段階で四苦八苦しながら悩み、考えがまとまった後で、パワーポイントを立ち上げて「清書する」のです。これが結果的にもっとも効率よく、説得力のある資料を完成することができます。
●5.技術的なことはどうやって学べばよいの?
実際の業務で使える技術を学ぶためには、何もないところからどうやって資料を作成するのかという手順が必要なのだと思います。しかし、このような手順を明確に書いてあるマニュアルというのはあまり見当たりません。
そのため効率良く学ぶのは、先輩に教えてもらうこと、あるいは先輩が操作しているところを盗み見ることだと思います。というのは、既に熟知している人は、無駄な操作をせずに効率的な方法をきっと見つけているからです。
例えば、「図形」に文字を入れたい場合、通常は、「テキストボックス」を使って図形の上に重ねる人が大半です。しかし、こうすると、「図形」と「テキストボックス」という2つのオブジェクトになってしまいます。すると、図形を変更するときには常に2つのオブジェクトを修正しなければなりません。
しかし、図形の中にテキストを追加すれば1つのオブジェクトになりますのでその後の修正も1回の手順ですみます。
このような生きたノウハウを教えてもらう、あるいは盗むのです。
しかし、もし、周りにそのような先輩がいない場合は、上手に資料を作成している人のファイルをもらって自分が作成した資料とどこが違うのか分析してみることです。
●以上です。ビジネスマンだけでなく、自治体職員を含めた行政の方も、さらに小学生までパワーポイントを使う時代です。さらにスキルに磨きを掛けたいものですね。
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