<前々回のまとめ>
「セミナーの参加者の方から、過去の失敗事例を教えてもらえないか?という質問がありましたのでご紹介します。1つ目は方向性の確認を怠ったことでした。そして2つ目は情報の膨らませ方がよくわかっていなかった。」という内容でした。
●前々回に続いて失敗事例のご紹介です。
これはサラリーマン時代の出来事で、今思い出しても嫌な思い出です。
●ある日、取引先のメーカーから私の会社を含めた業者に対して以下のような連絡がありました。「これまでの仕事の中で御社の成果、及び弊社の問題点があれば忌憚なく指摘してもらえないだろうか?その意見を受けて弊社も改善に取り組みたい。ついては、X月X日にその内容をプレゼンで発表して欲しい。」と言う連絡です。
●連絡を受けたのは私の上司で、この上司に呼ばれて、私がそのプレゼンを担当することになりました。私自身、その取引先と懇意にしていたからです。
●そしてプレゼン資料を作り上げ、上司のレビューを経てプレゼン本番を迎えたのです。発表したのは、あるシステム開発のプロジェクトです。この時の体制は、以下のようになっていました。
エンドユーザ
↓
取引先メーカー(プロジェクトマネージャー:1名)
↓
私たちの会社 (プロジェクトリーダー:杉田+プログラマー:複数名)
エンドユーザは、最終的なシステムの使用者です。そしてメーカーと私たちがシステム開発の担当です。メーカーからはプロジェクトマネージャーが1名担当でした。
●しかし、プロジェクトが開始してまもなくメーカーのプロジェクトマネージャーが突然1ヶ月休暇を取ることになったのです。理由は10年勤続した社員への優遇措置ということでした。プロジェクトはまだ始まったばかりです。でも仕方なくプロジェクトマネージャー不在で推進しました。
●1ヶ月後、プロジェクトマネージャーも復帰し、その後、様々なトラブルを発生しながらもプロジェクトは無事、終了しました。
●成果は、納期を守りかつエンドユーザーから高い評価を得たことです。一方問題点はプロジェクトマネージャーが1ヶ月現場からいなくなったであると発表しました。
●すると後日、そのメーカーからクレームが入ったのです。
「あんな内容を発表しやがって!何を考えているのだ!あいつは誰だ!」と。忌憚のない意見はどこに行った?なんて反論の余地もありません。上司とともに謝罪に行きました。平謝りです。
●今、思い出しても嫌な思い出です。でも、この時、沢山の教訓を得ました。
1.主催者(メーカー)のプレゼンの意図を事前に確認しなかったこと
2.「忌憚のない意見」など通用しないこと
3.事前にリハーサルを行い、問題がないか多くの人に確認しなかったこと
●「1.」については、上司の話だけでなく、仲のよい現場担当者などから情報収集して確認すればよかったと反省しました。また「2.」についてはメーカー側の上層部の思いとは裏腹に現場担当者は自分のマイナス面は出して欲しくないという思いがあったようです。
●「3.」については、上司とリハーサルをしたのですが、本当は、もっと多くの人に参加してもらい沢山の意見をもらえばよかったと反省しました。
●いずれにせよ、このような経験から「作業の開始前に方向性の確認をしましょう」また「プレゼンの内容は第三者からレビューを受けましょう」と繰り返し説明しているのです。皆さんには、同じ過ちは繰り返さないでいただきたいです。
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●最後にもう1つの失敗事例のご紹介です。
これもサラリーマン時代のことです。私の所属していた会社では、入社5年目になると昇格試験が行われるのです。その一つに論文発表がありました。テーマは、自分で自由に決めてよいのです。
●そこで、私が選んだテーマは「ファイル圧縮技術」でした。LZHやZIPといえば皆さんご存知だと思います。今でこそファイル圧縮技術は、ポピュラーな技術ですが、私が論文発表する時は LZHという圧縮技術が使われだしたぐらいの時期でした。これに興味をもったので勉強して発表したのです。
●しかし、新しい技術だけに勉強すべき情報が少ないのです。かろうじて1冊の本と雑誌の特集を見つました。これで勉強しました。
●そしてプレゼン資料を作成し、大勢の社員の前で発表しました。しかし、発表内容は、その本と雑誌に書かれた内容を要約しただけのものです。本当にそれだけでした。
●ファイル圧縮技術について自分なりに創意工夫したことや、実際にプログラムを組んで圧縮効率の比較の実験結果があるとか、そういう内容は一切ありませんでした。
●それでも一応、昇格は果たしました。しかし、この時に気付いたのです。論文発表などでは、自分の中にあるものを発表すべきであり、自分の中にないものを新しく学習して発表してもそれは稚拙なものにしかならない。聞き手は本の要約ではなく、その人を通した情報こそ欲しがっている、ということを。
●その後、私の後輩は、ことごとく同じ轍を踏んでいきました。(^^;)『論文発表』という言葉に惑わされて、知らないことを知ろうと努力してしまうようでした。
●このような経験からプレゼンの発表では「自分の知っている情報を発表した方がよいですよ!」とお伝えしています。皆さんも昇格試験や就職試験の時には気をつけてください。皆さんの失敗事例があれば、私にも教えてください!!
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