<前々回のまとめ>
「ある法人のプレゼン資料をブラッシュアップを手がけました。そのポイントを参考までにお伝えすると、1.目次でナビゲートする、2.基準カラーを設定する、3.章毎の基準カラーを設定する、4.フォントを変える、
5.図形で描く、6.結論を敢えて書く」
という内容でした。
●先日、あるプレゼン資料のコンサルティングを行いました。
依頼内容は「プレゼン資料を作成したが、発表時間が10分しかない。どう考えても削減できない。削減ポイントを教えて欲しい。」というご依頼でした。
●プレゼンテーション発表までの準備期間と発表時間というのは、正比例しないものです。状況によって様々です。資料作成に1ヶ月かけても発表が10分しかなかったり、逆に1週間しか時間がないのに1時間だったりします。でも、どちらかというと、発表時間が短いと楽です。削減すればよいだけですから。逆にネタがないのに1時間も発表しなければならない時は大変です。
●皆さんも同じような状況に陥ったことはないでしょうか?とりあえず資料を作ってリハーサルをすると時間が全然、足りない時などです。急ぎ足で説明しても時間が足りない。そんな時は削減するしかありません。そこで、今回は、削減時のポイントについて解説させていただきます。
●具体例を示しながらの方がわかりやすいので、ご依頼いただいたプレゼン資料の構成をお伝えします。
1.コンセプト
2.現 状(現在の業務の全体像)
3.問題点(現在の問題点)
4.ねらい(改善の方向性)
5.今 後(改善後の業務の全体像)
6.解決策(改善の内容)
7.効 果(改善後の効果)
8.費 用(改善にかかる費用)
9.将来性
●よくある業務改善の提案書です。確かに盛りだくさんです。1ページあたり1分弱なので、10分は厳しいですね。とにかく削減するしかありません。ではどういう視点で削減すればよいのか?というと、以下の3つになります。
a.優先度の低いものから削減する
b.できるだけ一枚にまとめる
c.強調すべきポイントを明確化する
●a.優先度の低いものから削減する
長い時間をかけて調査した時や、構成を論理的な流れとして固めてしまった場合、なかなか削減しづらいものです。気持ちはわかります。それでも時間の制約には勝てない訳ですから思い切って削除するしかありません。最初のポイントは「優先度の低いものから削減する」です。
上記の構成からは、「1.コンセプト」と「4.ねらい」は削除可能だと思います。このような方向性の明示は、重要ですが、他の項目に比べると、優先度は低いです。なお削除しても、例えば、表紙のサブタイトルに記載することも可能です。さらに、プレゼンの内容によって、現状を強調するなら「9.将来性」も削除可能です。今回は、削除しましょう。
1.現 状(現在の業務の全体像)
2.問題点(現在の問題点)
3.今 後(改善後の業務の全体像)
4.解決策(改善の内容)
5.効 果(改善後の効果)
6.費 用(改善にかかる費用)
●b.できるだけ一枚にまとめる
次は、「できるだけ一枚にまとめる」です。これは情報を削除する訳ではありませんので、比較的安全な方法です。関連する項目で複数ページにまたがる内容を1ページにまとめるのです。
a. で修正した構成を見ると「1.現状」と「2.問題点」,「4.解決策」と「5.効果」は関連性が高いので1ページにまとめることが可能です。ただし、2ページを1ページにまとめるため、スペースがなくなる場合もあります。その場合、何らかの情報を削減する必要があるかもしれません。
また、削減できないといって無理に情報を詰め込み、小さいフォント(12ポイント以下)を使用すると、プロジェクタで投影した際、後ろの席では、見えなくなる場合もあるため、注意が必要です。
まとめた結果は、以下の構成になります。(★が、まとめたスライド)
★1.現状と問題点(現在の業務の全体像と問題点)
2.今 後(改善後の業務の全体像)
★3.解決策と効果(改善の内容と効果)
4.費 用(改善にかかる費用)
如何でしょうか?ここまでで10分/4ページ、つまり 2.5分/1ページなので、問題のないレベルかと思います。論理性も損なわないですし、寄り道をしなければ、説明可能だと思います。
●c.強調すべきポイントを明確化する
「b.」で完了としてもよいのですが、では、もし、発表時間が1分しかないとしたら、どうでしょうか?上記の構成から更に削除しなければなりません。大変ではないですか?
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これぐらい短くなると、論理的であるかどうかは問題になりません。よく「プレゼンテーションは論理的であること」と書籍にも書いてありますし、私もこれに異論はありません。しかし、それは基本であって、1分しかないプレゼンテーションなら論理性なんて吹っ飛びます。
では、どうすればよいのか?
それは、聞き手のことを考えるしかないのです。聞き手が求めていることに適切に応えるのです。例えば、聞き手が経営者なら、「何をやる、そしていくらかかる」に興味がある訳ですから、これに集中します。
1.解決策と効果(改善の内容と効果)
2.費 用(改善にかかる費用)
また、例えば、現場担当者なら、「今後、こう変わる」に集中します。
1.今 後(改善後の業務の全体像)
2.解決策と効果(改善の内容と効果)
さらに発表時間が1分しかないなら2ページではなく、1ページに整理した方がよいでしょう。ちなみに、よく巷で企画書はA4−1枚でまとめよう、という本がありますが、同じような過程を経ているはずです。
このように聞き手の要望に視点を置き、むしろ「強調すべきポイントを明確」にして、不要な項目を削除するのです。
●以上、当初、削減できないと思っていた構成でも3つのポイントで削減することが可能です。せっかく時間をかけて集めた情報を削除するのは惜しい気がすると思います。
●しかし、サイトのStep2(情報収集)でもご紹介しているように、高い山(=密度の濃い情報) を作るには、底辺はできるだけ大きい方がよいのです。底辺が大きいからこそ、密度の濃い情報ができあがるものです。また、その蓄積した情報はきっと次の機会に生かされるものです。
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