<前回のまとめ>
「”参加型セミナー”の第一人者:関根雅泰先生のセミナーからプレゼンテーションテクニックとして3点をピックアップさせていただきました。1.立って説明する、2.正面を向いて説明する、3.腕全体+手の平で指し示すです。優れたプレゼンターのデリバリを実際に見ることで学べることも多いものです。」
という内容でした。
●まず、最初に以下のURLをクリックしてください。
⇒http://www.nakeru-p.com/melmag/melmag_48.html
これは、ある法人のプレゼン資料をブラッシュアップした実例の一部です。実際は、50ページぐらいあります。上に表示されているのが[修正後]、下にあるのが[修正前]です。もちろん、私が[修正後]を手がけました。(^_^)/
今回は、このブラッシュアップの実例を交えてご説明します。
●この法人では、見込み客の獲得を目指して、毎週のようにプレゼンテーションを行っているとのことでした。担当の方の話では、「顧客との最初のコンタクトの場で使うプレゼン資料としては、デザインが貧弱すぎる。見栄えをよくするためにブラッシュアップせよ、と上司から指示されている。しかし、具体的にどこをどう直せば、よいのか分からない。」ということでした。
●私も以前、10社ほどのプレゼンコンペに参加したことがありますが、プレゼン資料の完成度を見るとその会社の状況が垣間見れるということがありました。しっかりした会社はプレゼン資料の完成度も高いものでした。しかし、プレゼン資料が貧弱な会社は「この会社は大丈夫なのだろうか?」と不安に思ったものです。
●もちろん、プレゼン資料の完成度と会社の健全度が100% つながるとは思いません。しかし、顧客の立場に立つとその会社の評価基準の一つにされることはあると思います。話が少し脱線しますが、学生が就職試験の際、ホームページの出来栄えを一つの判断基準にしている、という声を聞いたことがあります。あれと同じだと思います。
●話を戻して、先の[修正前]のプレゼン資料は、よくあるパターンです。
・パワーポイントの標準のテンプレートを使用
・タイトルと本文に分け、本文ではテキストの箇条書き
・イラストは、パワーポイントに付属するものを使用
社内向けのプレゼン資料であれば、これぐらいでも問題ないかと思います。しかし、社外の方へのプレゼンテーション、特に顧客獲得を目的としている場合もう少し”よそ行き”にして、見栄えをよくしたいものです。
●皆さんなら、このプレゼン資料のどこをブラッシュアップしますか?以降を読む前にできれば、一度、[修正前]と[修正後]を見比べて5分ほど、検討してみてください。
:
●では、具体的に、どこを修正したのかについて、一部、解説させていただきます。決して自慢したいのではなく、皆さんのプレゼン資料のブラッシュアップに役立つと確信しています。
●1.目次でナビゲートする
この資料の場合、全体が50ページもあるのですが、[修正前]の状態では、章の区切りが非常に分かりづらいということがありました。そのため、目次をうまく活用して、章の区切りに敢えて目次を再表示させました。但し、対象の章だけをカラーで表示し、他の章は背景と同じ色にして、対象の章を浮き立たせています。こうすることで反復による統一感を出すのと、説明しているページが全体のどの位置にあるのかをナビゲートしています。
●2.基準カラーを設定する
企業には、カンパニーカラーが存在するということは以前のメルマガでご紹介させていただきました。今回の法人にも濃い青というのがカンパニーカラーでした。そのため、資料の背景色も濃い青にして、前面に出すようにしました。ただ、今回の場合、濃い青なので、背景も濃い青にしています。しかし、カンパニーカラーが赤やオレンジなどの場合、逆に見づらくなる可能性があります。
その場合はヘッダだけに抑えた方がよいこともあります。
●3.章毎の基準カラーを設定する
資料全体の基準カラーを設定するのと同様に章毎の基準カラーを設定しました。目次の色分けがそれです。なぜなら、資料が50ページもあるため、すべて同じ色だとメリハリがつかないからです。そこで、章毎に基準カラーを設定し、色を変えることで全体の統一感を出しました。例えば、第1章は緑に設定し、第1章の結論の箇所はすべて緑で統一しています。
●4.フォントを変える
資料全体の基本フォントを「MS Pゴシック」ではなく「MGP創英角ゴシックUB」を基本としています。これにより力強さを表現しています。さらに、表紙のタイトル箇所などのさらに強調したい箇所では「ワードアート」を用いてさらにコントラスをつけています。
●5.図形で描く
[修正前]の資料では、箇条書きが中心でした。箇条書きでも問題ないのですが可能な限り図形で表現し、各項目の関連性を明確にしました。ちなみに図形の
パターンは、以下のものがあります。
・状態 :静的な状態を表現する
・関連 :情報の流れやつながりを表現する
・フロー:時間の流れを表現する
・ツリー:階層構造を表現する
・表 :縦×横に項目を並べて関連を表現する
例えば、スライド4・6・9では「関連」を表現し、スライド8では「状態」を表現しています。こうすることで単純に箇条書きにするより訴求力が高まります。
●6.結論を敢えて書く
[修正前]の資料では、本文が箇条書きだけであり、その箇条書きから何を伝えるのかが曖昧にされ、プレゼンターに依存されています。本当は、資料全体を通して強調したいこと、あるいは章毎に強調したいこと、スライド毎に強調したいことがあるはずです。そこで、その強調したいことを敢えて明示しています。アニメーションを使うなら、この強調したい箇所に使っていただきたいものです。
●以上、6点がブラッシュアップの実際の例です。これらの内容を整理すると資料が50ページにもなるため、色を使って違いを明確にすること、またフォントを使ってコントラストを明確にすること、さらに図を使って訴求力を高めること、また結論を敢えて明確にする、といった改善を行いました。
●重要なのは、違いを明確にしながらも全体の統一感を持たせることです。違いを明確にするだけだとバラバラに見えてしまいます。しかし、全体を同じにするとメリハリがなくなります。このあたりのバランスが難しいところかもしれないですね。
これらの修正項目を参考にして皆さん自身がプレゼン資料をブラッシュアップされることを期待しています。
|