<前回のまとめ>
「プレゼンを開始する前に”資料の出来が悪くて... ”などの言い訳をする人が多くいます。しかし、聞き手はプレゼンターの言い訳など聞きたいないもので、むしろ、自信のあるプレゼンを聞きたいものです。勇気をもって言い訳しないようにしましょう。」
という内容でした。
●先日、高校生の方から以下の問い合わせがありました。
>はじめまして。関西地方の高校生です。
>私はこの度、ある大学のAO入試を受けることになりました。このAO入試
>では書類審査とプレゼンによる試験があります。書類審査向けの資料
>はある程度書き上げることが出来たのですが、プレゼンの概要がなか
>なか書き上げることが出来ません。提出する書類はプレゼンの概要3枚
>です。
>
>テーマは「これまでの活動、取り組みで自己評価できるもの」が2枚、「
>入学後の目標」1枚です。
>大学側に問い合わせたところ、審査の基準は「これまでの活動や取り組
>みを通して、自ら問題や課題を見つけ、自ら学び、考え主体的に判断し
>て行動する能力(問題発見・解決能力)について問う。」そして概要の見
>やすさなども審査の基準に入るとのことです。また「明確に筋道を立て
>て説明する能力(表現力、論理的な思考能力)」についても問うとのこと
>です。
>うまく書けるプレゼンの概要の書き方を教えてもらえないでしょうか?
>どうか宜しくお願い致します。
●現在のビジネス社会では、プレゼンテーションの重要性は、疑いのないところですが、既に大学入試でもプレゼン力を問われるようになっています。今後プレゼン力のある若い人達が増えていくことが予想され、私たちも頑張らないといけないですね。
●ビジネスマンの方の中でも昇給試験や公募などで、上記のような試験形式でプレゼンテーションを行う機会も多いと思います。そこで、今回は、この高校生の方に対するコンサルティングの回答を事例として掲載させていただきます。AO試験を控えている受験生は必見、ビジネスマンにも応用可能な実践的な内容ですので、ぜひ、お読みください。
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●まず、プレゼンの概要をなかなか完成させることができない、というのは、以下の2つが原因ではないかと想像しますが、いかがでしょうか?
1.こういう資料を作成すればよいのだ、という完成物のイメージがつかめていない。
2.実際にプレゼンする内容が明確でない。また、完成に向けた手順が明確でない。
●「1.」については、過去の事例やあらかじめサンプルを提示してもらうのがベストです。しかし、もし、存在しないようなら、私の方でサンプルを公開いたしますので、こちらをご覧ください。
http://www.nakeru-p.com/doc/ao_sample.doc
●このような概要書の場合、MS-Wordの方が一般的だと思いますので、MS-Wordで作成しました。資料の構成は、シンプルに「タイトル、サブタイトル、概要内容」の4項目です。
・タイトル
プレゼンの内容、特に主張したい点を一言で表現したものです。あまり
堅苦しいものより、目を引くようなタイトルの方が望ましいです。
・サブタイトル
タイトルを補足し、タイトルだけでは分かりにくい場合に追加します。も し不要であれば省略することもあります。
・概要
プレゼンの内容を簡単に要約したものです。最初に作成するより、最後
に作成した方が作りやすいです。
・内容
プレゼンでの発表内容をそれぞれ簡単に整理したものです。本の目次
を作成するようなもので、これを読めば、大まかなストーリーが把握で
きるようにします。
●上記は、最低限必要だと思われるものです。これ以外に必要な項目があれば追加していくことになります。
●「1.」については、先に記述した通り、サンプルを見ていただければ分かると思います。難しいのは「2.」ではないかと思います。なぜ「2.」が難しいのかというと、プレゼン資料を完成させる前に完成イメージを描かなければならないからです。
例えるなら、ビルを建てる前にビルの完成イメージ(設計図)を描かなければいけないのと同様です。
●ビルの設計図を描くには、ある程度の知識と経験が必要です。これと同様にプレゼン資料の設計図を描くには、やはり、ある程度の経験が必要なのです。しかし、恐れることはありません!!
以下の手順通りにやればきっとできるはずです。
●Step1:目的の把握
まず、最初のStepは、今回のプレゼンの目的や大学側の要求を整理し、プレゼンの方向性を明確化することです。そのため、今一度、大学側の要求を整理し戦略を立てます。
・目 的 :AO入試におけるプレゼンの概要書類の作成
・テーマ :(1)これまでの活動、取り組みで自己評価できるもの→2枚
(2)入学後の目標→1枚
・審査基準:a.これまでの活動や取り組みを通して、自ら問題や
課題を見つけ
自ら学び、考え主体的に判断して行動する能力(問題発見・
解決能力)について問う。
b.概要の見やすさなども問う。
c.明確に筋道を立てて説明する能力(表現力、論理的な思考能
力)も問う。
●これを整理すると「テーマ」と「審査基準」の対応は、以下のようになっています。
・テーマ(1)→審査基準 a. b. c.
・テーマ(2)→審査基準 b. c.
b.とc.はどちらのテーマにも必要ですが、a.に関しては、テーマ(1) で表現する必要があることが分かります。また、テーマ(1)
の方が枚数も多いことからこちらに重点を置いて、自己アピールする必要があるはずです。
●Step2:情報収集
今回のテーマであれば、情報収集は必要ないと思います。なぜなら、自分の過去の経験、活動から導き出すものだからです。逆に、構成を検討していく段階で必要であれば情報収集するということでよいと思います。ただし、このようなテーマの場合、時系列の出来事が自分の思い込みとズレていることがよくあります。そのため、再度、時系列で整理することをお勧めします。
●Step3:構成
一番、難しいのがここですね。ただ、手順どおりにやって行けば、全く問題ないはずです。気持ちを楽にして一歩ずつ進めましょう。最初から100%
うまくは行かないはずです。Step3は何度でも見直し、推敲すればよいのです。
まずは、テーマ(1)について以降の作業を進め、完成したら、テーマ(2)を同じ手順で進めましょう。
○1.吐き出し
最初のStepは、情報を吐き出すことです。テーマ(1) について過去にどんなことをやったのか?大小関係なく、思いつくままに吐き出します。ポイントは、気持ちに制限を掛けないようにすることです。これが良いとか悪いとか、他人にどう思われるとか関係なくです。この段階ではアウトプットすることが重要なのです。
○2.取捨選択
次に、吐き出したものの中から取捨選択をします。大学側の審査基準a.に「問題解決能力」とあるので、これに合致するようなものを選択します。簡単に見つかるなら問題ないですが、もし、見つからない場合でも、積極的に見つけるようにしてください。自分では、大したことないと思っていても他人から見たらすごいことというのはよくあることです。
○3.すり合わせ
積極的に考えてもどうしても見つからない場合、あるいは、近いけれども、微妙に異なっている、という場合もあると思います。このような場合、実際の内容を審査基準に合わせて「すり合わせ」を行います。例えば、問題解決を行ったのが、自分自身でなかった場合、それを自分が判断したと決定するのです。この時「うしろめたさがにじみでるようではいけません。」自信をもって表現しましょう。
重要なのは、AO試験では、”表現力が問われている”のであって、あなたの真実を問われている訳ではないということです。もちろん、実際の活動であることがベストです。しかし、現実的に100%
合致するのは難しいものです。そのための現実解として微調整すればよいのです。ただし、この時、論理の矛盾点などが発生しないように注意が必要です。
○4.タイトル作成
ここまでで選択した内容、つまり問題解決能力を示す活動を一言で表現すると何か?を突き詰めてタイトルにします。一般に販売されている書籍のタイトルなどが参考になると思います。一目で読みたくなるようなタイトルを苦心しています。AO試験なので、奇をてらう必要はないと思いますが、それでも読む気にさせるタイトルにしたいものです。
なお、サンプル(http://www.nakeru-p.com/doc/ao_sample.doc)では「テーマ」そのものをサブタイトルにしています。
○5.構成検討
構成検討は、あなたが主体的に問題解決した活動内容を証明し、理解してもらうためのストーリ作りです。結論は明確なので、そこに読み手を導くように肉付けをしていきます。以下のように起承転結にするのが基本です。
・起:それまでの活動で何らかの問題が発生している
・承:それを問題ととらえ、改善に取り組み開始
・転:実際に取り組んだ結果、思わぬ障害が発生
・結:しかし、これを一つずつ取り除き、問題を解決した
○6.目次の作成
構成検討が完了したら、パソコンを立ち上げ、起承転結毎にタイトル、つまり目次を作成します。
・起:1.解決されない問題点
・承:2.改善に向けた取り組み開始
・転:3.思わぬ事態発生
・結:4.問題を解決
○7.目次毎の概要作成
目次が完了したら、それぞれの章毎に、書くべき概要を記入します。この時、読み手の理解を促すために、文章を羅列するだけでなく、箇条書きにすることも意識します。例えば、一般的に問題点というのは1つだけではなく、複数あるものです。その場合、複数項目を文章で並べるのではなく、箇条書きに整理した方が読み手は理解しやすいものです。
○8.見直し
全体の見直しを行います。再度 「1.吐き出し」から確認してみましょう。また、Step1 の大学側の要求と合致しているのか確認します。確認ポイントは以下のものです。
・全体を通したストーリー展開(論理展開)がスムーズか?
・問題点と解決策は対応づけられるか?
・客観的な事実として理解できるか?
・目的と合致しているか?
・人名、年月、数字に間違いはないか?
・誤字、脱字はないか?
○9.概要作成
最後に全体の概要を作成します。起承転結の話の流れをかいつまんで整理するのです。
ここまでの「1.」〜「9.」の内容は、テーマ(1) について整理したものです。
そこで再度、テーマ(2) について「1.」〜「9.」を繰り返します。
●以上です。このように手順を文章で整理するとかなり長文になってしまいます。しかし、手順の大半は、皆さんが意識的、もしくは無意識のうちに実施しているものであり、決して難しいものではありません。この手順を何度も経験してくるとStepを省略して進めることができるようになるのです。
●全体を通して重要なポイントは、あなたが書きたいものを書くのではなく大学側が要求しているものを適切に把握し、それに沿った形で書く、つまり証明する、ということです。そのため、Step1
の作業が重要になります。資料を作っていると資料を作ることが目的となってしまうことがあります。そうではなく、一定のタイミングでStep1
で整理した「目的、テーマ、審査基準」を見直すようにしてください。
●この手順を踏めば、必ず大丈夫です。不明な点があればご質問ください。合格をお祈りいたします。また、結果も教えてくださいね!!
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