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   Vol.41 日経BPのプロから学ぶテクニック(3) ’05.08.19  
 

<前回のまとめ>
「日経BP社の本の付録に『ここで差がつく文章の技術』という記事がありました。論理構造を明確するためには、ピラミッド型の階層構造で考える。この時、Step1:階層構造が満たすべき基本条件・Step2:階層構造の論理性を高める方法・Step3:階層構造を基に文章を執筆する際のポイント、以上、3つを押さえて文章を作成しましょう。」
という内容でした。

●今回も前号に引き続き、日経BP社の記事を引用して解説させていただきます。今回は、正確で読みやすい文章を書くために、日経BPの編集部が厳選した20のポイントについて紹介させていただきます。

●まず、皆さんへ質問です。以下の3つの文章の問題点を指摘することができますか?
  a. プロジェクトマネージャーの役割は、納期やコストを管理する。
  b. SCM*システムを取引先とともに商品在庫を削減するため導入する。
  c. この画面構成は、おおむね顧客のニーズを満たしている。しかし、改善の余
    地がある。だが納期が迫っているため、このままでよいと考える。
  *SCM=サプライ・チェーン・マネージメント

●一見、特に問題なさそうに見えます。また、このままでも大きく意味を取り違えることはないと思います。しかし、分かりやすい文章にするためには少し修正が必要です。

●その前に、文章力とプレゼンテーションは直接関係ない、と思う方がいるかもしれません。しかし、プレゼンの完成度を高めるには、論理性を高める必要があります。では、論理性を高めるための身近な方法は?というと、メールや日報など、日常的に作り出す文章を通じて論理性を高めることだと思います。

●つまり、論理的な文章を書ける人は、論理的なプレゼンをすることができるはずです。しかし、論理的な文章が書けない人は、論理的なプレゼンをすることはできないはずです。そのため、日頃から文章力を磨くことがプレゼンの完成度を高めることに役立つはずです。

●日経BP社では、分かりやすい文章を書くための「20のポイント」として優先度の高いものから順に以下のように紹介しています。

┌────────────────────────────┐
│■レベル1:正しい文章を書く                         │
│ □1.主語と述語が正しく対応しているか                │
│ □2.「なぜなら」や「もし」などを正しい言葉で受けているか     │
│ □3.正しい係り受けになっているか                   │
│ □4.用語を統一しているか                        │
│ □5.時制は正しいか                              │
│                                            │
│■レベル2:無駄がなく読みやすい文章を書く              │
│ □6.長い文になっていないか                        │
│ □7.分かりやすい語順になっているか                 │
│ □8.説明なしで専門的な用語を使っていないか            │
│ □9.特定の企業や組織だけで通用する用語を使っていないか  │
│ □10.逆接の接続詞を繰り返していないか                 │
│ □11.二重否定をしていないか                        │
│ □12.代名詞が指し示す内容が明確か                 │
│ □13.受身形を極力使わないようにしているか             │
│ □14.「・・・だ」、「・・・だ」など、同じ語尾を続けていないか        │
│ □15.1つの文中で同じ言葉を繰り返し使っていないか        │
│ □16.助詞の「の」を3つ以上つなげていないか            │
│                                            │
│■レベル3:文章の価値を高める                      │
│ □17.途中で疑問系の文章を入れて読み手の興味を引き付けて │
│     いるか                                  │
│ □18.事例やエピソードなどを書いて具体的に説明しているか  │
│ □19.数字やデータを盛り込んで説得力や信ぴょう性を高めてい │
│      るか                                        │
│ □20.単なる事実の羅列にとどめず意義や理由を説明しているか│
└────────────────────────────┘
 
●どうでしょうか?あたり前と言ってしまえば元も子もないですが、実践的なポイントで、かなり泣かせます。こういう生きたノウハウは日本中の全てのホワイトカラーの人達に配りたいぐらいです。(^^;)

●話が少しずれますが、以前、仕事で特許申請をしたことがあったのですが、申請する前に他の関連特許を調べたのです。その時の特許情報が分かりにくいこと。何度読んでも理解できないのです。1つの特許情報だけでなく、すべての特許情報が分かりにくいのです。あれは、わざと分かりにくく書いているのもしれないですね。酷いものでした。

●話は戻って、では、最初に質問した「a.〜c.」の文章をご覧ください。上記20のポイントのうちのどれか1つに該当します。

●最初に「a.」の解説です。ポイント「1.」に該当します。
> 「a.プロジェクトマネージャーの役割は、納期やコストを管理する。」とい
> う文は、あるITエンジニアが実際に書いたものだ。 この文の主語は
> 「役割は」述語は「管理する」である。「役割は 〜 管理する」という対応
> 関係は明らかにおかしい。正しくは「役割は 〜 管理することだ」である。
>もしくは「プロジェクトマネージャは 〜 管理する」とすべきだ。推敲を怠る
>とこのレベルの間違いが容易に起こり得る。

 ⇒指摘されると納得がいきます。このように主語・述語だけを取り出してつなぎ合わせると不自然なところを抽出しやすくなります。英語だと「主語+述語+目的語」のように文法を意識して理解するのに日本語だとノリで書いてしまうことがあるので、ついつい見落としてしまいがちです。

  上記、a.の正しい文章は、以下のどちらかです。
   ・プロジェクトマネージャーの役割は、納期やコストを管理することで
     ある。
   ・プロジェクトマネージャーは、納期やコストを管理する。

●では、次に「b.」の解説です。ポイント「7.」に該当します。
> 「b.SCMシステム を取引先とともに商品在庫を削減するため導入す
> る。」という文を見てほしい。「こんな分かりにくい語順は普通しない
> 」と思うかも知れない。しかし、思いつくままに文章を書いていると、
>ついこういう語順にしてしまいがちである。それには理由がある。私
>たちは文章を書くとき、無意識のうちに強調したい語句から並べてい
>く傾向があるのだ。
>                (中略)
> 「主語と述語を近づける」、「目的語(〜を)を主語(〜する)のすぐ前に
> 配置する」、「長い修飾語は短い修飾語の前に配置する」といった原
> 則をふまえ一番わかりやすくなる語順を探そう。

 ⇒これも良いことが書いてありますね。叙情的な名文を書け、ということではなく、単純に文章を分解し、機械的に上記のような順番で並べると分かりやすいですよ、ということです。

  上記、b.の正しい文章は、以下の通りです。
   ・商品在庫を削減するために取引先とともにSCMシステムを導入
   する。

●最後に「c.」の解説です。ポイント「10.」に該当します。
> 「c.この画面構成は、おおむね顧客のニーズを満たしている。しかし、
> 改善の余地がある。だが納期が迫っているため、このままでよいと考
> える。」このように「しかし」や「だが」を連続して使うと、たとえ結論を
>明記しても読み手にすっきりと伝わらない。見方を変えれば、逆接の
>接続詞を減らすことが、論旨展開の整理につながる。

⇒これも良いことが書いてありますね。文章の読み手は、今、どちらの主張をしているのかを理解しながら読み進めます。この時、「しかし」などの逆説の接続詞を何度も登場させると全体を通して、主張を分かりにくくさせてしまうということです。特に長い文章になるほど、分かりにくくなってしまいます。

上記、c.の正しい文章は、以下の通りです。
・この画面構成は、改善の余地がある。しかし、おおむね顧客のニーズを満たしている。納期が迫っているため、このままでよいと考える。

●以上、具体例を挙げて説明しましたが、20のポイントがすべて参考になります。実際に、ビジネスプラン・企画書・提案書・議事録などあらゆる文書を作成する際、大いに役立つと思います。

●今回、メルマガNo.39〜41 で日経BP社が蓄積しているノウハウをご紹介しましたが、その根底に流れるのは、No.39 の冒頭で紹介したように「文章力は、才能ではなくテクニックである」という点です。これらの実践的テクニックを利用すれば誰でもある程度の文章が書けますし、その延長線には、論理的なプレゼンがあるはずです。

●だからといってテクニックに走って”気持ち”を忘れてしまうのも困るのですが、実践的で役に立つノウハウです。後は、皆さんが実際の業務で活用して血肉にしていただければと思います。感想を聞かせてくださいね。(^_^)/


 
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杉田 恭一
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プレゼンテーションには3つのスキルが必要であること、また、もっとも大切なのは、「気持ち」であることを主張しつづけている。「泣ける!!プレゼンテーションへの8つのステップ」はプレゼンテーション成功のためには必読!

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私が使用するプレゼンテーションドキュメントは杉田氏に制作していただいています。伝えたいことが、ずばりと表現されているところ、デザインの優れているところなど、いつも納得のできばえで、クライアント企業様からも高い評価をいただいており、商談がスムーズに進みます。
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