<前回のまとめ>
「日経BP社の本の付録に『ここで差がつく文章の技術』という記事がありました。ここでのテクニックとして、1.文章の目的と主題を明確にする、2.読み手を強く意識する、3.執筆前に論旨展開を決める、4.推敲を重ねて完成度を高める、が紹介されていて参考になります。」
という内容でした。
●今回も前号に引き続き、日経BP社の記事を引用して解説させていただきます。今回は、「論理展開の組み立てテクニック」です。他人のプレゼンテーションを見ていて、流れるように理解できることがあると思います。その理由の一つとして、全体の構成が簡潔で論理的であることが挙げられます。
●では、どのように簡潔で論理的な構成を作ることができるのか?という点について、日経BP社が紹介する、具体的なテクニックを見てみましょう。
> 分かりにくい文章の原因は、構成に問題がある場合が多い。構成は話
> の流れであり、読み手の理解を手助けするものである。文章を作成す
> る前に構成を 考えるのは当たり前である。ただ、その中でも論理性を
>高めるためには、 ”ピラミッド型の階層構造で考える”という点である。
>
> タイトル─┬─第1章─┬─第1節───第1項、第2項、第3項
> │ ├─第2節───第1項、第2項、第3項
> │ └─第3節───第1項、第2項、第3項
> ├─第2章─┬─第1節───第1項、第2項、第3項
> │ ├─第2節───第1項、第2項、第3項
> │ └─第3節───第1項、第2項、第3項
> └─第3章─┬─第1節───第1項、第2項、第3項
> ├─第2節───第1項、第2項、第3項
> └─第3節───第1項、第2項、第3項
⇒つまり、最初の段階で盛り込むべき要素を全て洗い出し、関連性を明確にし、俯瞰図を作りましょう、ということです。こうすることにより、全体の矛盾点などを明らかにすることができます。この階層構造をどのように作成するのか?というと、パワーポイントのアウトライン機能で実現することができます。作図は後でやることにして、全体の論理構成をテキストだけで作成するのです。
(メルマガNo.25を参照ください。http://tinyurl.com/eyq6j)
●次に”ピラミッド型の階層構造で考える”の作り方として、以下の3つのステップを紹介しています。このメルマガの書き方にも大いに参考になります。
・Step1:階層構造が満たすべき基本条件
・Step2:階層構造の論理性を高める方法
・Step3:階層構造を基に文章を執筆する際のポイント
●Step1:階層構造が満たすべき基本条件
> 1.3を基調に考える
> ピラミッド型の階層構造では、章、節、項は、すべて3つの要素になっ
> ている。3つというのは経験則から導きだしたものだ。2つでは弱いし
> 、4つでは多すぎる。読み手に印象づけたり、バランスをよくするため
> にも3を基調とすること。
⇒あの有名な毛利元就の『3本の矢』みたいですね。「弊社の課題は2つあります!」「4つあります!」というより「弊社の課題は3つあります!」と言った方が印象に残るということですね。実際にプレゼン資料を作成す
る時には、3つ目を生みだすのにウンウン悩んだり、3つに絞り込むのに悩んだりします。でも、3つの方がバランスがよいということです。ただ、実際、章のレベルを3つに抑えるのは難しいと思うので3は基本ということです。
> 2.最小単位はパラグラフ
> 階層構造の最小単位は、パラグラフ(=段落)にすること。最初の段階
> でパラグラフまで落とし込むことで論理的な矛盾点などを発見しやす
> い。またパラグラフ同士は関連性をもつことになるが、伝えたい要素
> は1つのパラグラフで完結すべきである。
⇒ここが一番、難しいかもしれないです。なぜなら、これは、最初の構想段階で最小単位まで洗い出しましょう、ということですから。でも、逆にここまで抽出することでストーリーは完成する訳で、プレゼン資料はかなり完成に近づきます。これを疎かにするとこの後の作業が無駄になる可能性もあるので、頑張りましょう!
> 3.下位の要素は2つ以上必要
> 階層構造の下位階層は、2つ以上必要である。例えば、第1章の下に
> は少なくとも第1節、第2節は必要である。もし、第1節しか書けない
> のなら下位の階層は作らない。また階層構造は、せいぜい4つまでと
> すること。
⇒これは重要ですね。プレゼン資料の場合、階層構造をあまり深くすることはできません。タイトルだらけになってしまうからです。(^^;)標準的に以下のイメージのように、1つのスライドに章・節・項を表現するのが限界です。
┌─────────────────────┐
│第1章 │
├─────────────────────┤
│┌─────┐┌─────┐┌─────┐│
││ 第1節 ││ 第2節 ││ 第3節 ││
│├─────┤├─────┤├─────┤│
││・第1項 ││・第1項 ││・第1項 ││
││・第2項 ││・第2項 ││・第2項 ││
││・第3項 ││・第3項 ││・第3項 ││
│└─────┘└─────┘└─────┘│
└─────────────────────┘
この時、第2節・第3節が書けないなら、第1節のタイトルが不要で第1章だけにしてしまいましょう、ということです。私も構成の段階で1つのスライドにどの階層まで表現するのかでいつも悩みます。
┌─────────────────────┐
│第1章 │
├─────────────────────┤
│┌─────┐┌─────┐┌─────┐│
││ ││ ││ ││
││ 第1項 ││ 第2項 ││ 第3項 ││
││ ││ ││ ││
││ ││ ││ ││
││ ││ ││ ││
│└─────┘└─────┘└─────┘│
└─────────────────────┘
●Step2:階層構造の論理性を高める方法
> 1.同じ種類・レベルで並べる
> 一つの要素の下位要素(例えば、章)は、同じ種類、同じレベルのもの
> を並べる。なぜなら、異なる種類やレベルのものが並んでいると全体
> として何を意味しているのか分からなくなるからだ。
⇒これも重要ですね。階層構造のレベルはちゃんと合わせましょう、ということです。例えば、「第1章 弊社の課題」としたなら、「第2章 課題への対応」など、課題⇔対応、というレベルで合わせましょう、ということです。決して、「第2章 課題への対応」の節レベルのものを章まで引き上げないようにしましょう。
> 2.適切な順に並べる
> 下位要素を考えるときに、もう一つ注意が必要なのは、要素を適切な
> 順番に並べること。例えば、重要度や時間の順に並べるなど。これを
> 意識しないと調査した順番や思いついた順番にしがちなのだ。
⇒うーん、良いことが書いてありますね。泣かせます。プレゼン資料も常にこの順番を意識する必要があります。思いつきではなく、どんな時にも必ず順番にこだわってもらいたいものです。こじつけでも構わないのです。ただ、漠然と項目が並んでいる資料より、自分なりの解を持ちながら順番を決定している資料の方が締りがあるものです。
> 3.要素同士を対応させる
> 「原因」と「対策」のように要素同士が対応関係を持つとき、その下位
> 要素同士もまた、対応関係をもつことが多い。そのため、要素同士を
> 対応させるように記載すること。
⇒これだけだと分かりにくいかもしれないです。例えば、「第1章 弊社の課題」「第2章 課題への対応」としたなら、第1章で抽出した節や項のレベルの課題に対して、第2章の対応策もそれぞれが合致するようにしましょうということです。
ただ、実際は、1対1で対応しない場合もあると思います。それでも基本として1対1で対応するように意識することが大切です。
●Step3:階層構造を基に文章を執筆する際のポイント
> 文章全体、階層毎、パラグラフ毎など、それぞれの冒頭で、総括とな> > る文章を書くこと。
⇒記事では、もう少し詳細に記載されていますが、プレゼンでは、あまり必要ではないので、省略しました。しかし、例えば、第1章のタイトルの下に第1章で伝えるべき内容が簡潔に書いてあると、分かりやすいものです。特に、多くの人にプレゼン資料を配布するような場合、説明文がないと誤解を与えてしまう可能性もあるため、説明文を書いた方が無難です。
●以上、「論理展開の組み立てテクニック」について整理しました。今一度、整理すると、
・論理構造を明確するためには、ピラミッド型の階層構造で考える。
・ピラミッド型の階層構造で考える場合、以下の3つのStepで取り組む。
・Step1:階層構造が満たすべき基本条件
→3を基調に考える、最小単位はパラグラフ、下位の要素は2つ以上
必要
・Step2:階層構造の論理性を高める方法
→同じ種類・レベルで並べる、適切な順に並べる、要素同士を対応さ
せる
・Step3:階層構造を基に文章を執筆する際のポイント
→文章全体、階層毎、パラグラフ毎に冒頭で総括を書くということで
す。
●プレゼン資料に限らず、文書を作成する際に共通する重要なテクニックです。「構成をどうするのか?」というのは、皆さんも大いに悩まれるでしょう。私も、いつも悩んでいます。(^^;)
でも、最初の段階で、全体の設計図を書く訳ですから、これはプレゼンに限らず、小説家や脚本家も同じように悩んでいるに違いありません。
●そのため、私達に能力があるかどうか、ということではなく、どんな人にとっても無→有を作り出すことは難しいことなのです。ただ、ビジネス文書の場合、小説や映画のように凝る必要はなく、シンプルな論理構成にすればよいのが救いです。ですので、上記のテクニックをうまく利用して乗り越えていただければと思います。
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