●このプレゼン資料は、8/19に新球団構想計画としてマスコミに向けて発表されたものです。コンサルティングを開始する前に、このプレゼン資料の目的を明確にしないと適切なアドバイスもできません。正確なところは当事者しか分かりませんので、ここでは、目的を以下のように仮定します。
[目的]
ライブドアが新球団を設立するにあたり、日本プロ野球組織に対して
計画内容を提示し、方向性の理解を求める。
以上を目的と仮定して、コンサルティングを行います。
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<新球団構想計画骨子>
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●Page1 「新球団設立にあたって」
ここでは、新球団設立を目指すことに対して、社長名でライブドアの思いを端的に表現しています。控え目でありながら、プロ野球を通じて社会貢献したい、プロ野球の発展を願っている、などプロ野球が社会の公器でありそれを支えていきたいという思いが伝わります。
⇒皆さんも同じようにプレゼン資料の最初のページで何を伝えるべきかを1枚で表現することが大切です。忙しい役員などは、最初の1ページだけでそのプレゼン資料を読むかどうか判断するからです。
1ページ目で興味をもってもらえるかどうか、ここがポイントです。
ただし、これだけの長文を書くというのは、ライブドアが、このプレゼン資料を”人が読む”ことを前提としているからです。
人前でプレゼンテーション(=デリバリ)を実施する場合、このPage1のような長文の処理は逆に難しくなります。「当社は、6月29日以来大阪近鉄バッファローズを・・・」などと読み上げるのもおかしなものです。ここを勘違いしないでくださいね。もし、単純にデリバリだけなら、箇条書きにすべきです。(このあたりの詳細は、メルマガNo.16に記載しました。)
●Page2 「新球団の概要」ここでは、新球団を設立するにあたり整理すべき必須項目を表現しています。これが必須項目であると分かるのは、ライブドアだけでなく、楽天も同じ項目を記載しているからです。
http://www.rakuten.co.jp/info/release/2004/0924.html
Page1で思いを表現し、Page2でプロ野球機構が知りたがる最低限必要な項目を表明しています。
これにより、まずは安心を得るという狙いだと思われます。なかなかツボを押さえています。
⇒プレゼンにおける説明の順番は、自分で自由に決められます。正解はありません。しかし、このように、できるだけ早い段階で、聞き手が知りたがっている項目を先に表明し、「信頼を得る」、「安心を得る」というのは学ぶべき点です。なぜなら、ここで信頼を得ることができれば、次ページ以降の独自の考えもすんなりと受け入れてもらえるからです。逆に聞き手が知りたがっている項目を最後に持ってきた場合、「早く教えろ」と怒らせる原因になるかもしれないからです。そのため、今回のような目的をもった資料の場合、先に必須項目を表明した方がよいのです。
●Page3 「新球団の経営方針」ここからがいよいよライブドアとしての独自の考えの表明ですね。ここでもプレゼンのポイントが押さえてあります。つまり、方針が3つ+αに整理されています。4つとしていないところがポイントですね。3つ+1つなんです。基本方針としては3つである。これに+αとして方針を1つ付け加えてる、というところがうまいですね。
また、色使いも青・赤・緑+グレーとツボを押さえています。(私ならグレーじゃなくて茶系にしますが)
⇒皆さんも同じように方針などをいくつも出すより、せいぜい3つ程度に絞り込んだ方がよいです。「方針は10個あります。」などと言っても誰も覚えてくれませんからね。
以上が、「新球団構想計画骨子」の本文です。
しかし、これだと全然、物足りないですね。
そこで、ライブドアは、7月にマスコミに配布した資料を添付しています。
続けて、こちらを見てみましょう。
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<大阪発・新しい球団経営に関するご提案書>
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こちらの資料は、より具体的な解決策が明記されており、先の資料のPage3の内容がもう少し詳細に記載されています。
●Page1 「0.目次」
ここは、目次というより、この資料で伝えたいことの概要が整理されています。要するに、
・ライブドアは、3つの新しい施策を実施します。
・ライブドアはバッファローズを買収するにあたり潤沢な資金がありま
す。
という表明です。ここでも一つ一つの項目に対して、文字だけでなく、図で表現されており、分かりやすいですね。この1ページで全てを表しています。
⇒「目次」と言われると違和感を感じますが、要するにこの資料に書かれているポイントを整理している点は学ぶべきですね。最後まで読まないと全体が分からないのではなく、1ページ目で全体を俯瞰させているのです。
●Page2〜4 「球団運営の方向性」
内容は、ともかく、何を実施するのかが図で表現されているので分かりやすいです。また、単に図を書くだけでなく、2行程度の説明があるのがいいですね。ここでも資料が一人歩きすることを、想定しているのだと思います。
⇒繰り返しになりますが、単にプレゼンテーション(=デリバリ)だけなら、この2行は不要です。しかし、人に配布されることを想定するなら、この図は、何を意味するのかを明確に記載するのが親切ですし、誤解を与えないのです。
●Page5 「球団運営企業としてのライブドアグループ」
ここでも項目が3つに絞り込まれていて、わかりやすいです。また、時価総額が比較表になっているため、一目瞭然ですね。ちなみに、時価総額が最も高い2つの企業の球団が合併するのは不思議ですね。
⇒プレゼン資料の場合、クドクドと言葉で説明するより、このように図や表で表現した方が、ベストです。
●全体
全体を通じて、体裁面で良くご覧いただきたいのが、テンプレートと色
使いです。テンプレートについては、背景は白、また、タイトルと本文の
境界線をブラックの実線で引いただけで、実にシンプルなものです。
何らデザインに凝っていない。ビジネスで使うわけですから、私もこれ
で十分だと思うのです。
また、色使いも青・赤・緑を基本とするなど、ツボを押さえています。
さらにもう一つ、フォントも単なるゴシックではなく、さらに文字が太いフ
ォントを使用しており、力強さを感じますね。
●今一度今回のライブドアのプレゼン資料から学ぶべき点を整理します。
1.1ページ目で全体の概要を説明し、読み手を引き込む。
2.読み手を意識して、読み手が気にする点を先に説明する。
3.資料を配布することを想定した場合、説明文を記載する。
4.1ページで記載する項目は3つ程度に絞り込む。
5.文字で長々と説明するのではなく、図や表で表現する。
6.テンプレートはシンプルに、色使いは、青・赤・緑を中心とする。
7.フォントは、ゴシックなど太いものを用いる。
●以上、ライブドアのプレゼン資料から学ぶべきポイントを整理しました。皆さんも自分のプレゼン資料作成の際に参考にしていただければと思います。
しかし!!
このプレゼン資料に問題点がない訳ではありません。
次号では、続けて、このプレゼン資料の改善点をご説明いたします。 |