<前回のまとめ>
「プレゼンテーション資料の作成のために多くの情報を収集すると、伝えたい項目が多くなってきます。その時の注意点は、焦点を絞ることです。そうしないと、伝えたいことがぼやけることがあるのです。そして、伝えたいことに適切なキャッチフレーズを当てはめると効果的です。」
という内容でした。
●先週、プレゼン大会に参加し、4人の方のプレゼンを見る機会がありました。4名とも、それなりに上手なプレゼンなのですが、どうしても気になる点があります。よく陥りがちな問題点なので、ご紹介します。
●私が気になるのは、長文の資料です。1枚のスライドにびっちりと文章が並んでいるアレです。表形式で長文が書かれていたり、「はじめに」というタイトルで、プレゼンまでの背景が長文で書かれているアレです。
●一生懸命、調査し、検討されたのでしょう。できるだけ多くの情報を伝えたいという気持ちは十分、分かります。しかし、長文って必要なのでしょうか?ここで、確認したいのは、
”読ませたいのか?”それとも、”伝えたいのか?”
ということです。
●ここをはっきりさせないと駄目です。具体的にいきましょう。例えば、あるプレゼンターが自社の「現状の課題」として、以下の内容を記載したとします。
1.社会環境
・社会環境として、「少子化対策」「環境問題」に取り組む必要がある
施策は、...である。
2.企業としての課題
・同時に企業として顧客満足がなければ生き残れない。
そのための施策は、...である。
・顧客満足を実現することで売上向上を実現できる。
・売上向上=利益向上には繋がらないため、生産性向上が必要が
ある。
・生産性向上のためには、労働環境の改善と社員教育が不可欠で
ある。
3.労働者しての課題
・利益向上を実現することにより、社員の給与アップも実現できるた
め、やりがいや退職者の歯止めにもなる。
・社員のやりがいを向上させることが最終的には顧客満足にも繋が
り、 好循環を実現できる。
●このような長文のスライドがあったとして、皆さんは、読みますか?いや、長文すぎて文字サイズが小さくなりすぎ、読めないかもしれないです。もう一度、確認します。
”読ませたいのか?”それとも、”伝えたいのか?”
ということです。答えは、明白です。プレゼンテーションとは、自分の考えを表明する場です。ですので、読ませてはいけません。自分の考えを口頭で伝えるのです。
●先の例を改善するなら、以下のように箇条書きにするべきです。
1.社会環境
・少子化対策
・環境問題
2.企業としての課題
・顧客満足の向上
・売上向上
・生産性向上
・社員教育
3.労働者しての課題
・利益向上
・給与アップ
●それで、これだと逆に言葉足らずなのですが、それがいいのです。その足りない部分を実際のプレゼンの際に補足していけばよいのです。
●では、さらに踏み込んで「なぜ、長文を書いてしまうのか?」について説明します。それには、2つの理由があると私は見ています。
1.時間をかけて調査した内容なので、多くの情報を伝えたい。そのた め、資料の中にできるだけ沢山の情報を詰め込んでしまう。
2.プレゼン資料を後日、参加者や不参加者に配布し、読んでもらう必
要があるため。
●「1.」については、先の通り、あまり情報を詰め込まず、むしろ足らないぐらいの状態にした方がよいのです。そして、足らない部分は口頭で補足していけばいいのです。
●「2.」が問題です。プレゼン資料の場合、言葉足らずの部分は、口頭で補足できますが、配布資料の場合、資料が一人歩きしてしまうため、できるだけ誤解がないように情報を詰め込みたいという気持ちが働くのです。
●しかし、本来は、プレゼン資料と配布資料は、性格が異なるものです。それを一緒にしてしまうから、長文を書いてしまうのです。
・プレゼン資料は、”伝えるもの”
・配布資料は、 ”読ませるもの”
●ですので、この性格が異なるということを理解した上で、プレゼン資料は、言葉たらずぐらいに抑えた方がよいのです。 |